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5.医療行為に係る死因究明制度について

平成20年4月1日 記 濱脇 弘暉

 [診療行為に係る死因究明制度](医療事故解決手段の現状、医師法21条に係る刑事訴追の状況、本制度検討に至った経緯、本制度に対する個人的意見)

● はじめに:

 平成6年度から14年間、医療安全対策・医事紛争処理担当常任理事として、各種会議や研修会、県・市医師会顧問弁護士、被害者・遺族・相手側弁護士と係る中で多くの事を学ばせて頂きました。そして現在の医療事故解決手段や医師法21条関連で刑事訴追される現状が、医師側・患者側にとって決して良いとは考えられず、現在の動きは第一歩を踏み出すチャンスだと捉えています。

 本制度については今も継続協議が行われており、反対意見も含めて医療関係者から色々な意見が出されている事も承知しています。

 厚労省・舛添大臣も拙速を避け、更なる国民的論議を経て2010年発足を目指しているようですし、1月31日の「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」では、樋口委員が「医療機関が一定範囲の死亡事案を先ず医療安全調査委員会(仮称)に届け出る仕組みで、重大な過失のみを警察に繋ぐと云うのは大きな1歩、医療の専門家が見て重大なもののみを警察に届け出ると云う事は2歩も3歩も前進。従来の異状死の届出が見直される点など制度の趣旨が医療現場に十分浸透していない、委員会調査と警察捜査との線引きも再整理して、二次試案以降に明確にした事も含め第三次試案として明文化してはどうか」と提案しています。

 更に厚労省は法務省・検察庁との協議で、調査委員会の報告を受けないで警察は動かない事も確認済みと発言しています。民主党も対案を出すとも噂され、舛添大臣は調査委員会を厚労省内に置く事で、かえって現場医師を萎縮させると指摘し、国民的論議の上で結論を出すと慎重な姿勢を示し、医政局出川総務課長も、最終的には法案化することだが、一気に行くとは考えにくいと発言しています。

 各種見解では、4病院団体協議会が厚労省の説明に「大勢としては必要だ」との意見で一致し、役員アンケート調査でも、76.3%が制度趣旨に賛同し、死因究明を行う第三者組織の設置にも63.4%が賛同する一方で、刑事手続きとの関係を懸念する声も根強くあるようで、全国医学部長病院長会議も国の調査委員会に反対する意見を公表する等、調査と刑事罰が連動することへの不安・不満の声も出ています。

 ▲一方で心臓血管外科学会は早期創設を要望し、医療事故の遺族で作る「患者の視点で医療安全を考える会」準備会も、医療の質と安全性の向上に繋げるためにも、中立的で公平な調査委員会の早期設置を医政局長に要望し、「精一杯やってくれた医療者を訴える人はいない、裁判沙汰にしないためにも第三者が組織する調査委員会が必要、病院側の謝罪の言葉を事故当時から素直に受け入れるのは難しい、第三者委員会にジャッジしてもらう事で不必要な対立を避けられるのではないか」との積極的発言等、様々な意見が報道されています。一方、日医は第二次試案以降の説明不足を認め、日医ニュースで解説に努めています。



▲参考資料:

‘医ニュース19.12.5第1110号、刑事訴追からの不安を取り除くための取り組み―診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案(第二次試案)について、

日医ニュース20.1.20第1113号、刑事訴追からの不安を取り除くための取り組み・その2・自由民主党「診療行為に係る死因究明制度等について」、

F医ニュース20.2.20第1115号、刑事訴追からの不安を取り除くための取り組み・その3・届け出るべき診療関連死について、20.3.3日医発文書「刑事訴追からの不安を取り除くための取り組み―その4―、―新しい死因究明制度に反対する意見に対して―

● 医療事故・ミスに対する日本の法的対応:

医療事故・ミス、医事紛争の解決法としては、現在、以下の3つの制裁型の対応しかありません。

1、刑事訴訟:目的は国家の刑罰権の発動で、業務上過失致死傷罪で裁かれ、端緒となる医師法21条が問題となっている訳です。医療機関からの報告、内部関係者の告発や被害   者等からの告発で始まり、検察官が起訴又は不起訴・起訴猶予を判断しますが、捜査では捜査差押、逮捕拘留があり、手続は公判(公開)、99%の有罪判決で終了します(検察が起訴出来ず無罪とするのは恥、不可は不起訴か起訴猶予とされます)。

2、民事訴訟:目的は個人間の争いごとの解決であり、損害賠償請求です。何時でも誰でも「提訴」が可能で、捜査はなし、勝敗は五分五分、手続は弁論/弁論準備(非公開)、終了は1/3の判決、2/3の和解が現状です。

3、行政処分:医道審議会で決定される免許剥奪・医業停止・戒告ですが、厚労省と法務省は情報を共有していると考えておくべきです。ただ、日本の弁護士会や先進国に比べて日本の医療関係者の行政処分数は圧倒的に少ないようです。
▲即ち、日本の医療事故・ミス、医事紛争解決手法としては、この3つの手法しかなく、何れも未成熟な制度だと云えます。刑事でも民事でも、検察・原告側弁護士は立件・訴訟を始める前に、後ろに控えている医療専門家に相談し各種情報を得て、訴訟に耐え得るか否かのアドバイスを受けており、刑事も民事訴訟も最終的には医師と医師との見解の戦いの構図になっている事を強調しておきます。

▲国民が民事訴訟を起こすには、それなりの費用負担が必要ですし勝敗も五分五分ですから、費用対効果的には警察に告発する刑事訴追が容易で、医療機関を弾劾する目的と、民事訴訟を有利にするために刑事訴訟を起こす傾向も指摘されています。

▲医師法21条関連で、2000年から医療機関や被害関係者等からの警察への届出は増えています。2000年からの警察への届出件数ですが、医療機関から80・80・118・195・199・177・163件、被害関係者から33・17・42・39・43・30・21件で、1997年〜2005年の届出総数1226件中、立件件数は405件、立件率33%、しかし実際に起訴された件数は、1970年〜1989年が年間0〜4件、1990年以降では、4・3・1・2・2・1・1・7・4・2件で、2000年〜2006年に起訴された事例は、2002年3月胆嚢摘出手術のミスで2ヵ月後死亡事件、2002年7月東京女子医大心臓手術事件、2002年8月杏林大学割り箸事件、2002年10月埼玉医大抗がん剤過剰投与事件、2003年10月慈恵医大青戸病院前立腺がん内視鏡手術ミス事件、2006年福島県立大野病院産婦人科事件と、6年間で6件と想像以上に少ないようです。

▲医療機能評価機構の報告義務対象医療機関からの報告件数は、2006年1月〜12月末で1296件(内死亡事故152件)ですが、医療事故死亡報告事例全てが刑事告発の対象となるとか、全てが起訴される訳ではないのです。日本の医療機関で年間80万人が死亡していると仮定して、後述の日本法医学会ガイドラインの基準を守れば年間8千〜8万件が対象になる可能性があり、年間1万4千件もの原因不明の死産児全てを届出たら、警察での対応は不可能でしょう。医師法21条の告発でも警察は検死まではさせて頂くが、過誤か否かの判断や原因究明等の後の問題は中立機関で判断して欲しいと云うのが本心だと云います。


▲平成17年度犯罪白書によると、一般刑法犯の発生率は戦後混乱期と同じ人口10万人当り2千件、一般刑法犯検挙率は昭和51年の60%から平成13年〜16年には21〜26%に低下しており、警察は医師法21条問題より一般犯罪で手一杯の状況と云う現実も他方には存在する訳です。


▲民事訴訟は「過失責任主義」で行われ、医師側は過失のない事の証明を迫られる傾向が強く、訴訟技術(裁判官・弁護士・鑑定人の資質等も含めて)が判決を左右し兼ねません。例えば産科の脳性麻痺は全分娩の0.2%に発生し、10%程度が産科医の責任であり、他は胎内での低酸素状態等が大きく関与している事は先進国での共通認識ですが、医師側に過失のない証明を迫り、最終的には判決や和解で幾らかの賠償を命じるのが殆どです。全分娩数120万×分娩費40万=4800億円の収入に対し、請求賠償額2億円とすると、脳性麻痺120万×0.2×賠償額2億円=4800億円と収支ゼロになってしまう理屈になります。「産科脳性麻痺に係る無過失補償制度」の生まれた1つの理由です。

●医療事故報告制度の過去の経緯と医師法21条:

 医療事故報告制度は既に存在し動いています。今回の「診療行為に係る死因究明制度」が初めてではなく、現在も一定の医療機関は、医療事故報告を義務付けられており、厚労省や医療機能評価機構に一定基準の医療事故報告を院長・管理者の責任で行っている筈です。
▲医師法21条の原点は明治期からある犯罪発見協力を目的とした「医師法施行規則9条」に端を発し、行政解釈も変わりなく経過して来ました。例えば1981年山内豊徳厚生省医務局総務課長は「死体又は死産児には、時とすると殺人、傷害致死、死体損壊、堕胎の犯罪の痕跡を止めている場合があるので、司法警察上への便宜のために、それらの異状を発見した場合の届出義務を規定したもので、異状とは病理上の異状ではなく、法医学的のそれを意味する。」としています。



▲それが1991年、厚生省「腎移植医療の社会システムに関する研究班」(法医学者が中心)が「異状死体の定義とわが国の検案体制」と云う報告書の中で、異状死体とは「確実に診断された内因性疾患で死亡した事が明らかである死体以外の全ての死体」とし、更に1994年、日本法医学会が異状死ガイドラインを出し「基本的には病気になり診断を受けつつ、診断されているその病気で死亡する事が普通の死であり、これ以外は異状死と考えられる」とし、1995年、厚生省健康政策局が当該ガイドラインを参考にされたいと明記した文章を公表した事から医療現場での混乱が始まったと云えます。

▲加えて1999年1月の「横浜市大病院での心肺患者取り違え事件」、2月の「東京都立広尾病院の点滴薬取り違え事件」以降、マスコミの医療事故に係る報道(過去は多くて540件)が、1999年1250件、2000年3047件と急増し、2000年8月、厚生省国立病院部リスクマネージメント・スタンダードマニュアル委員会作成報告書で、病院長が医療事故を届出ると云うルールを全国国公立病院に指示、後に私立大学病院、大規模病院等の特定機能病院にまで拡大された経緯があります。

▲2002年には外科学会ガイドラインで重大な傷害も担当医自らが報告すべきとし、2004年4月、広尾病院事件最高裁判決で担当医の届出強制も合憲とされました。即ち厚労省主導で既に一定の大規模医療機関は医療事故報告を義務づけられています。
▲平成16年度から、医療事故防止と医療安全の推進を目的とした日本医療機能評価機構による医療事故報告とインシデント報告事業が行われ、情報は国民・医療従事者・行政機関などに公表されています。従って現在でも、国公立・準公的医療機関、特定機能病院、私的高機能病院等では、院長が一定基準に沿って医療事故報告を行っている筈です。
▲今回の「診療行為に係る死因究明制度」で決まった第三者機関に届出すべき医療事故も、日本医療機能評価機構の基準に準じる由ですが、日本機能評価機構の基準は、

仝蹐辰唇緡屠瑤牢浜を行った事が明らかで、その行った医療又は管理に起因して、患者が死亡し、若しくは患者に心身の障害が残った事例又は予期しなかった、若しくは予期していたものを上回る処置その他の治療を要した事例、

誤った医療又は管理を行った事は明らかでないが、行った医療又は管理に起因して、患者が死亡し、若しくは患者に心身の障害が残った事例又は予期しなかった、若しくは予期していたものを上回る処置又はその他の治療を要した事例(行った医療又は管理に起因すると疑われるもののみを含み、当該事例の発生を予期しなかったものに限る。)、

その他、医療機関内における事故の発生の予防及び防止に資する事例、となっています。



▲医師法21条に係る異状死の定義の曖昧さ、基準の未整備から、全国医療機関が届出すべきか否かに苦慮する事態が頻発して来たため、各学会などでも幾つかの提言が為され始め、2004年、内科・外科・病理・法医4学会から、警察への届出範囲の特定化、警察に代わる第三者機関への届出制度の確立、診療行為に関連した死亡の調査を行う中立的専門機関の創設を求める共同声明が出され、これを受け、2005年9月より5年間の暫定措置として、「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」が発足し、札幌市・茨城県・新潟県・東京都・愛知県・大阪府・兵庫県・福岡県で行われている訳です。



▲そして医師法21条関連の刑事訴追の最終章が、現在訴訟中の2006年2月18日の福島県立大野病院産婦人科・加藤医師の業務上過失致死罪と医師法21条届出違反とする逮捕拘留事件であり、日本中の医師が猛反発した訳です。

●「診療行為に係る死因究明制度」に至る流れ:

 2006年6月の医療法改正の参議院厚生労働委員会の付帯決議で、「医療事故対策については、事故の背景等について人員配置や組織・機構等の観点から調査分析を進めると共に、医師法21条に基づく届出制度の取扱いを含めて、第三者機関による調査、紛争解決の仕組み等について必要な検討を行う」とされ、2006年5月「日医医療事故責任問題検討委員会」が設置され、2006年9月以降、「自民党社会保障制度調査会」を中心に、法曹界を含む各種団体のヒヤリングを経て、2007年3月、厚労省「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」が発足し、2007年10月に所謂第二試案が示された訳です。その後、幾つかの不安や疑問点が云われ始め、中央でも検討が続けられ、徐々に内容が明確になりつつあります。

●不安・疑問点の主なものと個人的意見:

1、報告する範囲:今以上の事故報告が求められ、更に刑事訴追も増えるのではないか? 刑事訴追から不確実性の強い医療を守り萎縮医療を避け、医療事故から防止対策に役立つ情報、特にシステムエラーの防止対策を探す事に主眼を置いて提言された経緯もあり、警  察・検察等の法曹界や患者・遺族代表からも意見聴取して検討協議している点から考えて、医師法21条や刑事訴追からの不安を取り除くための制度(医師法21条に基づく届出との重複を避けると明記)を目指していると信じ、理念通りの制度が構築される事を期待しています。



▲届出の範囲は、仝蹐辰唇緡鼎鮃圓辰浸が明らかで、その行った医療に起因して、患者が死亡した事案、誤った医療を行った事が明らかではないが、行った医療に起因して、患者が死亡した事案(行った医療に起因すると疑われるものを含み、死亡を予期しなかったものに
限る)、に限定すると厚労省は言明しています。要は今まで行われて来た医療機能評価機構の届出基準に準じる訳です。

▲届出範囲から除外する事例として医療関係者向けに29の具体例を上げ、適切に医療を行い、高い医療リスクの結果と判断した場合や「止むを得ぬ合併症」等は除外すると、限定的運用の考え方を示し、診療関連死を何でも届け出るのではないと、医療関係者の不安・不満解消に努めています。
 ▲法務省刑事局の甲斐行夫刑事課長は、先ず委員会に医療過誤事例が流れるようにした上で、委員会から警察へ通報する悪質事例(私案)として、ヾ擬圓了狃に対して故意や重大な過失があった事案何度も医療事故を起こしているリピーター事案カルテ改竄等の証拠隠滅、不誠実な対応を取った事案を上げ、厚労省も同じ見解を出しました。更に、甲斐課長は、公平・透明な委員会がしっかり機能すれば、医師法21条改正にも異論はないと発言し、厚労省医政局医療安全推進室佐原康之室長も医師法21条改正を視野に入れて検討を進めるとの意見です。厚労省、法務省、警察庁の3省庁協議で、「医療安全調査委員会」が通知しなければ、警察による捜査を行わない事を明記する方向で合意し、遺族が直接警察に捜査の依頼をしたとしても、警察は遺族に対し、先ず調査委員会に調査依頼するよう促す事になるとされています。

1、 届出義務化と違反のペナルティへの不安:届出制度は他にも既に存在しており、規準さえ守れば、違反でペナルティを受ける事例が増えるとも思えません。警察も検察も余程の悪質事例しか想定していないと発言しています。

2、 調査結果が行政処分や刑事・民事訴訟に使われるとの不安: 過去には第三者的な調査機関が存在しなかった故に、医療事故は、いきなり刑事訴追や民事訴訟に至る事例ばかり
でした。それを中間に第三者機関を置き、専門臨床医や病理医等の医師を中心とした調査機関が判断する事になり、むしろ専門的意見が取り入れられ易くなり、刑事・民事訴訟の前段に中立的公平な第三者的な調査機関が存在する事で、むしろ医療の持つ不確定要素やリスキーさを国民に理解してもらういいチャンスになると期待しています。刑事や行政処分には、故意や重大な過失のある事例と悪質な事例に限定すると謙抑的対応が強調されています。



▲要は厚労省に強力な権威を与えるのではなく、中央や地方での「医療安全調査委員会」の構成メンバーにこそ注視して行くべきではないでしょうか。本制度が適正に運用されるか否かは、何よりも委員構成の公平性・純学問性が如何に確保されるかに係っていると考え、日医アンケート回答でも指摘させて頂きましたが、厚労省直轄の中央・地方委員会に抵抗感を抱く医師達が多い事から、厚労省から切り離した中立・公平で純学問的な機関(例えば「医療機能評価機構」)で管理する事も考慮して欲しいと考えます。
   

▲現在の医療不信は既に来るところへ来ており、本制度を真摯に進める事で、国民の信頼回復に努めるのが良策だと考えます。報告すれば全てが免責され、刑事訴追や民事訴追から逃れると云う発想では、国民の信頼回復には程遠い事になります。法律がある限り、故意や明らかな過誤・ミスや医療事故を反省もなく繰り返す医師までもが免責される筈はありません。

3、 調査委員会に遺族や家族や民間代表が入る事への不満・不安: 医師を弾劾非難する事で医療を良くしようと云う過激な団体は存在します。しかし今や、如何なる医療関連の組織(例えば都道府県の医療苦情相談に応じている医療安全支援センター協議会)にも患者・被害者・遺族代表等は既に加入しており、彼らを排除するシステムでは国民の信頼は得られず、本制度は頓挫し兼ねません。

当該被害当事者ならいざ知らず、当事者ではない被害者や遺族、民間人の全てが医師を弾劾非難する意見の持ち主だと決め付ける時代ではなく、むしろ、医師と国民皆で医療を良くしようと云う考え方の人が増えています。東京新葛飾病院の医療メディエーターは、医療過誤で5才の長男を亡くされた母親がなっているとか、東京大学病院でも被害経験者が医療メディエーターとなっている時代を認識すべきです。むしろ広く国民・遺族に、医療の持つ不確実性やリスキーさをアピールする場とする事も可能ではないでしょうか(今そう云う場はない)。

4、 病理解剖医の絶対数不足: 専門家も指摘している事ですが、検討の余地がある部分だと思います。「病理解剖評価が必要かどうかについては、臨床的知識を持つ臨床評価医が判断を担当してはどうか」とのモデル事業に関わった専門家の意見もあります。全てに病理解剖が必要か、検討の余地がありそうです。更に将来、病理解剖学者を増やす対応に加え、経済的にも負担が少なくて構築できそうなAi=オートプシィ・イメージジング(死亡時画像診断)導入等も考慮されるのではないでしょうか。

●先ず、医師法21条問題や刑事訴追も含め過去の経緯から、医療界が第三者調査機関設置を求めた事から始まったと云う事実があります。医療のプロを自認し公言する医師達が、刑事・民事訴訟や行政処分に使われるのは全て嫌だとか、本制度が医療崩壊に繋がるとか(医療崩壊は既に始まっている)、遺族が調査委員会に入るのは困るとか云う、およそ国民の理解の得られない幼稚な反論だけをしていては、医師はやはり自己保全しか考えない駄々っ子だと、国民から非難弾劾され、制度そのものが潰され兼ねません。制度構築に協力している警察・検察等法曹界にも、マスコミ、患者、遺族、国民からも見放され、更にパッシングを受け、医療・医師不信が永遠に続く事を恐れます。各種意見を調整集約して、より良い制度を目指して欲しい、更には本制度を基盤として、日本の医療事故・医事紛争解決手法が、医療ADR=裁判外紛争処理にまで発展する事を望みます。

●個人的なお礼:平成20年3月2日第90回高知県医師会代議員会にて、平成6年度からの常任理事の辞職が決まりました。昭和55年からの広報委員も含め28年間、多くの皆様方に本当にお世話になりました。この場をお借りして感謝申し上げます。  

                                       以上



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