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巻頭言

高知医療センター病院長 武田 明雄

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このたび「高知県医師会医学雑誌第20巻」が発行されました。平成8年に第1巻が創刊され、
第17巻までは高知市医師会、第18巻以降は高知県医師会が引き継ぎ、今回の第20巻記念誌と
なりました。尾崎県知事、岡崎市長からの祝辞に加え、横倉日本医師会長、岡林県医師会長か
らは今後の医師会の進むべき道が明確に示されました。さらに、県内外から総説、原著、症例
報告等多数の論文が発表され、高知県の医療レベルの高さが伺い知れる内容となっています。
執筆された諸先生方に厚く御礼申し上げます。
 さて私は、昨年6月より高知県医師会理事(官公立ブロック)に就任し、勤務している病院の
性格から医学雑誌編修委員会の他に生涯教育委員会、男女共同参画・勤務医委員会、医療安全
・院内感染対策委員会、看護学校・準看護学院運営委員会等教育的な委員会に配属されています。
今更ではありますが、これまでの短い医師会活動から勤務医の「医師会への関心の低さ」が喫
緊の問題点であると思われます。今回の記念雑誌でも昨年の医師会学会の演者55名に執筆依
頼をしたところ、最初はわずか7名しか承諾が得られませんでした。関連する病院の指導医か
らの催促で何とか数編増加しましたが、指導医を含め若手医師の関心の低さを示していると思
います。症例報告であっても日頃の良質な診療活動(good practice)をまとめて学会発表、論
文投稿し、何かしら新しい知見を得ることは立派な臨床研究(good research)に繋がります。若
手医師にとっては医師会学会、医師会医学雑誌はその第一歩となり大いに利用していただきた
いと思います。
 医師会への加入率の低さもいろいろ検討されています。高知医療センターでも正職員の加入
率は25%程で、すべて診療科長以上の地位の医師です。初期臨床研修医、後期研修医の加入
は0です。医師会活動のより一層の広報、情報発信や若手医師のキャリアアップ支援、会費の
問題等の対策が取られつつありますが、昨年度の勤務医委員会では、「医師会というものは社
会貢献としてこれだけのことをしているという姿勢を若い医師に見せて認識してもらうことが
重要である」との提言がされています。今後の高知県の医療を担う若手医師を教育・育成する
義務のある高知大学、3つの地域医療支援病院等の責任は重大なものがあります。今後、初期
臨床研修医のオリエンテーションのプログラムに「医師会との交流の場」を設けることも計画
されています。このような対策が「絵に描いた餅」にならないよう努力していかねばなりません。
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